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マストバイキャンペーンとは

特定の商品を買うことで応募ができるキャンペーン手法。商品についたシール、パッケージの一部を切り取るなどして郵送するアナログで実施するものと、シールで隠れたシリアル番号、レシートの画像などを使い、オンラインで実施するものとがあります。

従来の大手メーカーが実施していたアナログでのマストバイキャンペーン、例えば山崎パンさんのお皿がもらえるキャンペーンなどは購入し、シールを集め、葉書などを使って応募しますが、昨今ではオンラインで応募を完了させるものが主流となってきています。

理由としては、OCR(Optical Character Reader 光学文字認識・・・画像から文字を認識し文字データに変換する技術)の発達により、レシートをスマホで写メして応募を完了させるシステムが一般的に普及してきているためです。画像処理で、例えば同じ画像を不正に使いまわして応募する。といったこともできないようになってきています。(もちろん完璧ではありませんが、キャンペーンとして許容できる範囲になっています)

全てを手作業で行うのではなく、OCRなどを用いて、効率的に当選者を選び出し、場合によっては景品すらもAmazonギフト券などにすることで、オンラインで完結することもあります。

マストバイキャンペーンの良いところと悪いところ

マストバイキャンペーン実施で難しい点としては、キャンペーン告知から参加までのハードルが高いことがあげられます。例えばTVCMでキャンペーンを知り、スーパーへ足を運び、商品を選び、応募要項にしたがってシールを集め、ハガキやオンラインで応募。となるには相当な熱量がない限り完結できません。

そのため、キャンペーン告知は売り場中心で、簡潔に理解し、応募完了できる仕組みが必要となります。消費者からすると、

(A社の商品、B社の商品、どちらでもいいんだけど、今だとB社の商品買うとスヌーピーのグッズが当たるんだ。じゃあ、B社の商品にしておこう)

というのが一般的なインサイトでしょう。そのためには、売り場でのPOP、商品へのシール添付、首掛けによる告知、さらには流通サイドの事前の了承も必要となり、なかなか骨の折れる準備が必要となります。

ただし、マストバイキャンペーンを上手に実施することで、実売上に結びつく宣伝広告、トライヤーの獲得ができます。また流通に対しての営業としても、キャンペーン実施中はスーパー、コンビニ等のフェイスを確保できたり、マストバイキャンペーンを口実に商品の扱いが始まるなどの可能性もあることでしょう。

マストバイキャンペーン成功の鍵はキャラクター

メーカー各社のキャンペーン情報を集めたサイトがあります。

■キャンなび WEBキャンペーンナビ
https://camnavi.net/

例えばこのサイトを見ていると、今現在も多くのマストバイキャンペーンが開催していることが分かります。2020年7月現在で、「ドラえもん」「ポケットモンスター」「ワンピース」「ハイキュー!!」「ハローキティー」「エヴァンゲリオン」「鬼滅の刃」など多くの漫画やアニメキャラクターとのコラボ企画が見られます。

何故、多くの企業がこのようなキャラクターを使ったマストバイ企画を行っているのかと言うと、先ほど申し上げた売り場で完結に分かりやすい点があげられます。まずは「目立つこと」そして、「ノベルティーが分かりやすくなる」のです。また、メーカー名や商品名の認知が低い場合でもキャラクターの認知率の高さを活かして「メジャー感」を出すこともあるでしょう。

さらには、単独企業が抽選で当たるマストバイキャンペーンを行った場合は、一般懸賞と呼ばれるクローズドキャンペーンに該当するため、景品単価の上限が定められています(取引金額が5,000円未満の場合にはその金額×20倍。かつ景品の総額が総売上予定額の2%)。ターゲット層が好きなキャラクターの限定グッズが当たるというのは、限られた上限金額の中でお金で表せない付加価値をもたらせてくれます。

マストバイキャンペーンにはお金がかかる?

マストバイキャンペーンを実施するには、
・TVCM、WEB広告をはじめとしたキャンペーン自体の告知費用
・商品へシール等の仕掛け
・売り場での告知(POP等)
・応募の受け付け
・ノベルティの用意と発送
・キャンペーン事務局の設置

が最低限必要となりますが、この他にもキャラクターを使用する際には

・キャラクター(IP)使用料

が加わります。人気漫画(アニメ)などを3ヶ月間のスポットで利用するとなれば最低でも1,000万円は覚悟する必要があるでしょう。マストバイキャンペーンの規模にもよりますが、トータルで2,000万円から3,000万円くらいを目安に考えられてはいかがでしょうか。

商品のイメージキャラクター

マストバイキャンペーン単体でキャラクター(IP)を契約する方法もありますが、商品との親和性の問題や割高感が生じてしまうかも知れません。長期的に、例えば1年、2年と特定のキャラクターと契約を結ぶ方向も考えてはいかがでしょうか。商品とキャラクターが結びついて想起されたり、他のWEBやSNSでの展開などと合わせて契約料を支払うことでキャンペーン実施時のハードルを下げられる可能性もあります。

いずれにせよ、契約期間だけでなく、どのようにそのキャラクターを使うか。というアイデアが最も重要ではあるのですが。

この記事を書いた人

高澤 邦彦
株式会社ジガー 代表取締役。漫画制作プロデューサーとして、企業や団体の漫画を使ったマーケティング活動の支援を行っている。