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制作された漫画の著作権について

使用の範囲は契約書次第!製作依頼時にしっかりと確認しよう。

自社の広告を目的に製作を依頼した漫画の著作権はどうなるのでしょう。当面、自社のWEBサイトでの活用と冊子にして配布する以外は考えていないけれど・・・。やっぱりバナー広告でも使いたいし、商品パッケージやノベルティーにも使いたくなったけどいいのかな?そんな疑問にお答えします。

自由に使えるかどうか、全ては契約書次第

基本的に、作画を依頼しようとも著作権は作者にあります。例え原作(シナリオ)を作画を依頼した企業側で用意したとしても、漫画に出てくるキャラクターのビジュアルに関しての著作権は作画を担当した人に帰属します。

また、著作権には、作品そのものに関する権利の他に、「著作人格権」と呼ばれる権利もあります。勝手に改変して使ったり、作者名の記載をせずに掲載することを禁じるなどの権利です。

長らく漫画製作の現場では、どの範囲での使用を認めるかについて細かな取り決めをせずに口約束で進めることが多かったのですが、近年、後々のトラブルを回避するために契約書で使用範囲を定めるようになってきました。

製作依頼時に利用範囲をしっかり確認する

企業から漫画家へ広告用の漫画を依頼する際、多くは

・自社WEBサイト内での活用
・ちらし、ポスター、カタログでの活用
このあたりがメインになるかと思います。規模の大きな企業や団体となると、

・社内報への掲載
・定期刊行物「月刊●●」への掲載
といったものも出てくるかも知れません。冒頭にもありましたが、漫画のコンテンツにはWEBバナー広告への活用などもありがちなので、

・WEBバナー広告(アニメーション含む)
といった形で使用範囲に記載しておくと良いでしょう。難しいのが商品パッケージや、ノベルティーへの活用、新聞/テレビなどのマスへの出稿、電子書籍や単行本として出版(販売)した際の扱いについてです。有名な方も、そうでない方も、多くの漫画家にとってこのあたりは少しシビアです。

まず商品パッケージやノベルティーへの活用に関してですが、商品販売額、ノベルティーの仕入れ価格に対して何%のロイヤリティーとなる場合が多いです。これは既存の出版されている人気漫画のキャラクター活用などでも同様の場合がほとんどです。作家さんや商品のロットなどケースバイケースですが、販売額や仕入れ価格の5-15%くらいとイメージされるとよろしいかと思います。

マス広告への掲載時に関しては、どれだけの規模で広告展開する予定なのか、その規模に応じて使用料の交渉となります。また、電子書籍や単行本として出版する場合についての印税はおおよそ10%が相場と言われています。

初めから予定されていないノベルティー、マス広告、出版、といった従量課金になる部分については別途協議、というのが現実的ではありますが、当然、それらも全て自由に使えるよう、著作権の移譲、また、著作人格権の行使も行わないことを前提として製作を依頼することも不可能ではありません。

いずれにせよ、製作依頼時にこれらの使用の範囲について、抜け漏れがないよう、しっかりと確認をしましょう。

この記事を書いた人

高澤 邦彦
株式会社ジガー 代表取締役。漫画制作プロデューサーとして、企業や団体の漫画を使ったマーケティング活動の支援を行っている。